ノンアルビールの飲み比べ【色・香り・カロリー】おすすめ厳選

ノンアルコールビールは、
日本のどのビール大手メーカーも、
最低でも一種類は発売しております。

ですが、数が少ないノンアルコールビールでは、
お店に置いてあるのは、一般的には一銘柄。

知るチャンスも選択肢もなく、
お気に入りのメーカーが仮にあっても、
当然指定できるチャンスは本当に少ないはず。

アルコール入りのビールと
飲み方が違うノンアルコールビールは、
実はいくつかのタイプに分類が可能です。

本記事では、
ノンアルコールビールを6銘柄を飲み比べてみました。

ノンアルコールのビールを飲み比べる機会は
滅多にあることではないので貴重な体験となりましたが、
解説していきます。

ノンアルコールビールを大きく3つに分けて比較していきます

日本のビールメーカー大手4社の、
それぞれノンアルビールは、
よく見ると微妙な差があり、
大きく分けて3種類に分けることが出来ます。

○ビールの代理系
○いち商品系
○健康意識系
大きく分けると、この3つ。

これ以外にも、黒ビールやフルーツを含んだ
「変わり種系」がありますが、
数はとても少ないので、
出会う確率は限りなく低いです。

順番に解説していきましょう。

ビールの代理系

こちらはもう直球に
限りなくビールテイストに仕上げた商品
のこと。

「ビールが飲めない時に代わりに飲むもの」
として開発された色が強い商品です。

使っている成分もホップや香料など、
ビール独特の風味を得るために原料に共通点も見つかります。

また、色合いや喉越しも再現度が高いのも特徴。

いち商品系

ビールの代打としての存在ではなく、
ひとつの商品として選んでほしい
という気概を感じるような、
飲み物として大変おいしく飲める商品
タイプです。

泡立ちも優秀であったり、
保存料などの使用が少ないものなど、
ある程度こちらも成分から、
特徴が読み取れる場合があります。

健康意識系

上記二つとは全く異なり、
毎日飲まれることが多いビールの特性を巧みに掴み、
年齢とともに気になってくるプリン体や
糖質といった成分を抑えたなどといった、
健康への配慮がありそうな商品」です。

今回取り上げる商品では、
特定保険機能食品マーク(トクホ)が付いている商品が
見受けられたのが印象的でした。

その他変わり種系

数は大変少ないのですが、
ノンアルビールの中でも変わった
副原料を使用したものやフルーツビールなどを
開発しているメーカーもあります。

ただし一般的に流通しているというよりは、
地方やイベントで見かけるか、
専門店ではない限り、
普通はお目にかからないレベルなので希少です。

海外輸入品にも多く見受けられます。

ノンアルビールは、各メーカーで打ち出し方は若干違う

何種か並んでいるスーパーでは一目瞭然ですが、
同じノンアルコールビールでも、
消費者へ訴えかけるメッセージはまるで違います。

サントリーのオールフリー
サントリーのオールフリー
アサヒのヘルシースタイル
アサヒのヘルシースタイル

オールフリーは、比較的ノンアルビールの中では
「おいしい」という声も多く、
定着化した存在ではないでしょうか。

青と白というシンプルな配色からも
リラックスしたムードを感じさせます。
登場してから不動の人気を誇るヒット商品です。

 

対するヘルシースタイルは、
割合最近発表された商品ですが、
スーパードライの銀色でタフなイメージとはまた違い、
赤とゴールドという目を引く色合いと、
同社のページも味そのものよりも、
トクホマークと、
難消化性デキストリン(食物繊維)の効果
全面に打ち出しております。

その時のニーズにより、
消費者が買い分けるのは想像に難くありません。

他のメーカーが着手していないジャンルを縫っていく、
各社の思惑があります。

ノンアルビール飲み比べ

では改めまして、今回飲み比べに用意した銘柄の発表です。

ノンアルコールビール比較
・右手前から
○オールフリー
○零ICHI

・右奥から
○リンボ ラズベリー
○麦のくつろぎ
○ドライゼロ
○ヘルシースタイル

では順番に試飲していきます。

サントリー/オールフリー【いち商品系】

サントリーのオールフリー

プレミアムモルツの「神泡」というワードが話題になった、
サントリーのノンアルビール看板商品です。

「のどごし、バツグン!」
「ノンアルコールビールテイスト」
というワードをプッシュしています。

最近は「からだを想うオールフリー」という新商品も発表されました。

サントリーのオールフリーは、
注いだ色合いは黄金色、
日本の一般的なビールの色です。

香りは強くありませんが、
若干のカラメル香が見つかりますね。

素材にもこだわり、アロマホップを使用。

洋梨のようなフルーティな味に、
ビールの苦みが追いかけてくる、
最もバランスの良い商品。

ただ、ビールとしては甘みがかなりあるのと、
コーンスピリッツ系に通ずるニュアンスがあります。
品がよく飲ませる一本。

完成度の高さ故に、気分だけで酔ってしまいそうです。

スペックとしては
○カロリー
○プリン体
○糖質
すべてゼロというのも強み

ただし、甘味料、苦味料、カラメル、ビタミンCと
添加物が多い面も否めません。

 

キリン/零ICHI【ビールの代理系】

キリン/零ICHI
タップマルシェ導入による
クラフトビールラインへも力を入れている、
キリンのノンアルビール商品。

パッケージングからして、
完全に一番搾りの兄弟分として展開されています。

「麒麟の傑作」「おいしさ」「一番搾り製法」
などのフレーズから、
とにかく飲み手を満足させようとする自信が伺えますね。

注いだ色合いは、
オールフリーよりは若干濃いめですが、
オーソドックスなゴールド。

麦芽押しビールに共通するモルトの香りが
ふんだんに立ちこめました。

ふくよかな麦の甘みと香りが口に含むと広がる反面、
発泡酒でよく見るような大粒の泡で、
すぐ消えてしまうため、ソーダのような印象も与えます。

後味に原料が似ている、
ウィスキーのような香りが鼻に抜けるのと、
酸味が強めな点もあります。

結論、一番搾りにかなり近い出来です。

成分を見たところ、
「人工甘味料」「着色料」を使っていない代わりに
「水あめ」「アミノ酸」で味を整えているようです。

 

ミッケラー/リンボーラズベリー【その他変わり種系】

ミッケラー/リンボーラズベリー

ミッケラーとは決まった醸造所を持たない、
ファントムブリュワーとして活動している
デンマーク出身のビールプロデューサーで、
彼の手がけるクラフトビールは、
世界中で人気を席巻しています。

日本でも渋谷に旗艦店があり、
毎年イベントを行うほど集客力があります。

ミッケラーの中では、珍しいノンアルビール商品です。

液の色はロゼワインのような
若干の透明度があるピンク。

実はこのノンアルビール、
麦芽とホップとラズベリーのみしか使用していないため、
甘味料のような人工的な味は一切なく、
自然な飲み口が爽やかでおいしいです。

ビールとしてというよりは、
ラズベリージュースのソーダ仕上げ
といった感覚で頂けます。

ただ、麦芽50%以上使用ですが
ラズベリーを含むことにより
日本では発泡酒区分とされ、値段がお高め。

余談ですが、
海外でもカロリーを抑えたビールは
たくさん発売されています。

バドライト」「クアーズライト」が良い例ですね。
カロリーに関しては、ラベルに表記してあります。
その点、リンボーラズベリーは、
ノンアルビールですが健康意識系としては
売り出されていないようです。

サッポロ/麦のくつろぎ【いち商品系】

サッポロ/麦のくつろぎ
黒ラベルのサントリーから
発売されているノンアルビール飲料。

サッポロのトレードマークである星が
トップにあしらわれ、
パッと見ではビールか発泡酒のようなデザインです。

こちらも液の色はゴールドですが、
澄んだ色合いをしています。

開栓時から溢れるのが、
風船ガムと梨の中間のような甘いアロマ。

後からほのかに苦味が添えられますが、
飲み比べた中で最も苦くなく甘かったという結果に。

とにかくフルーティで、
まるで小麦を使った白ビールに通ずる
飲みやすさがありました。

黒ラベルとは大きくタイプが違うので、
選ぶ際には注意が必要かもしれませんね。

○カロリー
○糖質
○プリン体
こちらがゼロなのを謳っています。

甘味料苦味料などの他に、
大豆エキスを使用しているのが他社とは違いました。

アサヒ/ドライゼロ【ビールの代理系】

アサヒ/ドライゼロ

見た目と「ドライ」と名のつく商品名から
スーパードライの代理ポジションと区分けしました。

また、缶自体にも
目指したのは、最もビールに近い味
とわざわざ表記を入れています。

色合い少々薄めのゴールドカラー。
開けた瞬間からスーパードライの香りがします
(結構最初は、驚きました。)

ノドへの当たり方も強いと言いますか、
スーパードライ独特の「ガツン」と来る感じを
再現しようとした印象がとても好感でした。

キレも良し。逆にさすがにコクが減った印象もあります。
全体的に考えるとボディは薄めですが、
バランスもとれたタイプ。

こちらの成分スペックは
○カロリー
○糖質
がゼロでした。

アサヒ/ヘルシースタイル【健康意識系】

アサヒ/ヘルシースタイル
色こそ違いますが、
同社の主力商品と明らかな姉妹デザインである
「ヘルシースタイル」です。

デザインのせいか、名称自体は直球過ぎて
あまり記憶に残らない方も多いのでは?

液体の色はドライゼロと変わらず。
開栓時はドライゼロほどではありませんが
スーパードライとはやはり酷似。

梨のような香りが若干加わりました。

多少甘みが増えたようにも感じられますが、
ドライゼロと比べても突出した差はありません。

こちらのスペックは
○カロリー
○糖質
がゼロでしたが、
その下にトクホについての表記が
長く入っているのが印象的です。

ノンアルコールビールを飲み比べてみて

ノンアルコールビール比較

オールフリーいち商品系
零ICHIビールの代理系
リンボーラズベリー変わり種系
麦のくつろぎいち商品系
ドライゼロビールの代理系
ヘルシースタイル健康意識系

ノンアルビールはアルコール度数の代わりに、
様々なオプションを付加しているようですが、
健康志向が高い日本は、
糖質やプリン体などを抑えたりすることが主流
となっていることがわかりました。

しかし、その中でもそれぞれの色があり、
健康へ振り切るところもあれば、
ビール本来の味を忠実に再現しようとするメーカーもあったりと、
付加価値の見せ方で、
ビールの意味を再定義しているようにも思われます。。

価格帯も手が届きやすいので毎日買いやすいですし、
素晴らしい商品が多かったのも驚きでした。

ただその反面、
折角キャラクター豊かなノンアルビールが日本にはあるのに、
飲食店もスーパーも、一種類、あっても二種類しか置いていません。

一般の方が普通の感覚で行くような範疇では、
その選択肢がとても狭く感じました。

商品の特性上難しいですが、これは残念。

また、意外だったのは、
クラフトビールの専門店でも
ノンアルビールは取り扱いが少なかったことです。

クラフトビールも元々、
大手ビールのカウンターカルチャーとして生まれたものですが、
同じように誰でもノンアルビールブランドを
自由に選べる日が来ることを想像すると、
日本のビールシーンには、まだまだ伸びしろがあるように思います。

ビールが好きな方も、
ぜひノンアルコールビールを楽しんで見てください。