日本人に熱燗が飲まれてきたように、
実は海外の飲み物であるビールにも、
温めて飲まれてきた文化があるのです。
ホットワインってよく聞くけど、
ホットビール??
温かいビールなんて、想像できない・・・そう思う人がほとんどです。
結論から言いますと、
ホットビールは、時としてキンキンビールよりハマります。
本記事では、
★湯煎で作るホットビールの作り方
★ホットビールに合う黒ビールとフルーツビール
★ホットビールに合うスパイス
こちらを解説していきます。実際に、
作ってみて感じたリアルな内容になっています。
意外にも、ホットビール作りは一度すると、
かなりハマりますよ。
それでは、紹介していきます。
実はホットにする「ビールの種類」は合う合わないが存在します
元々、グリューワイン
(温めたワインにスパイスを入れた飲み物)
のように、
ヨーロッパでは日本と同じで、
お酒を温めて飲む文化がありました。

ドイツではクリスマスイベントの際に
写真のマグにグリューワインが振る舞われるような、
身近な存在。
ですので、ビールを温めるのは
世界的には自然なこと。
「金色のビールはホットビールには向いてない」という原則
中には例外もありますが、
日本で最も良く手に入る
大手のビールを温めるのは勧めません。
ではどんなビールなら、
ホットビールとして楽しめるのか。
温めるなら「黒ビール」「フルーツビール」がイチオシ。
この2種類は温めると、
甘みと香りの印象が劇的に変わるんです。
そのまま飲んでもおいしいビールたちの、
新しい魅力を知ることが出来ますよ。
それでは実際に、温めましたので
解説していきます。
ホットビールに合う種類で選んだのは、ギネスとリンデマンス
今回ホットビールを試すのに、
選んだ銘柄はこの二つ。
ホットビールとして、まず選んだのは「ギネス」
アイルランドを代表する黒ビール、ご存知「ギネス」
正式にはアイリッシュドライスタウト
という分類となる世界的なスタウトビールです。
さほど知られていませんが、
発売する国によって少しずつ味のバランスも変えているのと、
日本で最も多く流通している、
ビン商品とカン商品においても
実は味が違う全く別の商品。
このような細かに味を変える仕事が、
数百年も残っている秘訣なのでしょう。
今回は入手しやすい「カン」を選択。
もう1つのホットビールは「リンデマンス クリーク」
フルーツビールで有名なベルギーの中でも、
最大手の老舗ビール会社の一つ(日本にも輸入されている)
クリークはサクランボという意味です。
ファンシーな印象を受ける方もいるかもしれませんが、
サクランボを漬け込んだビールは、
ベルギーでは大変古くから親しまれており、
口に広がる甘酸っぱさはリフレッシュに最適。
さて、単にビールを温めるだけなので
難しいことはありませんが、
その方法によっては厳密には味に差が出ます。
ちなみにですが、「温め方」を
電子レンジを使う
マグカップや耐熱グラスにビールを、
移して電子レンジにかける。
鍋で湯煎する
マグカップや耐熱グラスにビールを移して、
水を張った鍋に入れて湯煎にかける
しかも、
待ちながら「においの変化」を楽しむのも
乙なもの。
ということで、今回は湯煎で、試してみました。
湯煎で作ったホットビールの見た目・香り・味を評価!
お湯がフツフツ湧いてくる頃が引き上げる目安です。
ビール自体から湯気が上げって来るのが見えるはず。
不安であれば、時々スプーンでかき回して
温度を確かめたり、温度計を使っても良いでしょう。
ビールの種類によっては、
落ち着いていた泡がまた復活することがありますが、
ムクムクしだしたら吹きこぼれる予兆ですので、
温度のあげ過ぎには要注意です!
さぁ実飲の時間。

湯煎したホットビールの見た目
まず見た目の印象ですが、実は湯煎直後に
「パチパチ弾けていた表面の泡」は落ち着きます。
冷えている時と違い、長く残りはしないようです。
銘柄によっては変わるでしょうが、
どれも概ね同じと予想されます。
湯煎したホットビールの香り
これがすごい!どちらとも、
冷えているときよりも強く感じられます。
しかしツンとするわけではなく、焼き上げたパイなんかに近いかもしれません。フルーティな酸味です。
湯煎したホットビールの味
ホットギネスの味
肝心のお味ですが…
ギネスは本当にコーヒーみたになります。
冷えている時に感じた、
シルキーな口当たりの印象の飲み物というよりは、
アルコール度数が低く感じるために、
本当にアメリカンコーヒーを飲んでいる印象になりました。
コクは減った気もしますが、
砂糖を入れて飲んでみたい衝動に駆られますよ。
ホットリンデマンスクリークの味
リンデマンスは、甘みが段違いになります。
まるで砂糖を入れたかのように、
舌の上全面に甘みが広がっていきます。
バランスが変わっても、
これはこれでそのまま飲めそう、
というか商品としてありそうです。
体が温まるのを感じます。
ぬるくなったコーラが甘いのと同じで、
人間の舌は温度が上がると、
より強く甘みを感知するように出来ています。
そのため温めた場合、お酒のアルコール感よりは、
甘さと香りをさらに楽しむことが
出来るようになるようですね。
ホットビールに合うスパイスとは?よく合うアレンジ方法を紹介
砂糖をはじめとして、スパイスなどを入れて、
自分好みを味にアレンジできるのが、
ホットビールの醍醐味!
相性が良いスパイスをご紹介していきましょう。

ホットビールに合うスパイス「クローブ」
クローブは丁字といった別名などで、
小麦由来の白ビールの説明で使われることが多いですね。
バナナに通ずる品の良い香りが面白いスパイスです。
独特な形がかわいいですね。
「削る前のもの」は、中々お目にかかることはありませんが、
パウダー状のものでしたら、比較的スーパーでも手に入ります。
ケーキやおかし用のチョコペンなどのコーナーに並べてある場合も。
ホットビールに合うスパイス「シナモン」
こちらは有名ですね。
幅広くホットビールとの相性が良いので、大変オススメ。
スモーキーで食欲そそる香りを、
黒ビールと是非合わせてみてください。
スティック状ならくるくるかき回すだけでも
香りが移って面白いのですが、
こちらもパウダーをひとつまみ入れるだけでも
グッと印象が変わりますよ。
ホットビールはスパイスで自分好みにアレンジ
ハンバーグの隠し味としてよく使われる「ナツメグ」や、
フルーティな芳香が特徴的な「オールスパイス」
というスパイスあたりもよく合います。
ハチミツ、メープルシロップもお好みで足すと、
より一層味わいが増します。
個人的には、
黒ビールに数適バニラエッセンスを足らしてみたり、
ショウガを入れて風邪予防に、
ウィスキーなどのハードリカーを足らして、
アイリッシュコーヒー風にしてみるのも
遊び心あっていいと思います。
スパイスが余ったら、カレーにも使えますよね。
実はインドではどれも頻繁に使われるスパイスたちなのです。
油で炒めると香りが増しますよ。
ホットビールは実は魅力が豊富!見た目・香り・味で楽しもう
ホットビールの魅力は
実際に飲んで知ってもらうのが一番です。
ちなみにですが、
銘柄によっては、
黒ビールの中に醤油や味噌のような
日本の発酵調味料の香りを感じるかと思いますが、
実は、自然な反応です。
香りに敏感な人はホットビールに夢中になる?
コーヒー、カカオ、醤油、黒パン、チョコ…
そのような香りはどれも「メイラード反応」という
化学変化により醸されています。
糖分が焼けると褐色に変化していく現象のことです。
タマネギを炒めると色と香りに変化がありますが、
それと同じ現象なのです。
また、濃い色のビールには付き物の
カラメルの香りも近しい化学反応の香りです。
これらの香りが感じ取れた方は、
敏感なので、ホットビールにも夢中になる人が多いです。
ホットビールは嬉しい効果も。
メイラード反応により得られる
メラノイジンという物質には、
いわゆるアンチエイジングで有名な抗酸化作用があり、
大豆食品や味噌などに多く含まれています。
また、ショウガを入れれば飲んだ後も、
体が温まる効能が続きます。
ホットビールは自分の好きな味に作る楽しさと、
体にも嬉しい面を持つ飲み物。
寒い冬を乗り切るためにヨーロッパで生み出された、
素敵で優秀な飲み方なのです。
ぜひ、試してみてくださいね。